皆さんの中で、住宅のエアコンを自分で着脱したことのあるという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?エアコンは年中利用されることもある電化製品でありながら、頻繁に手入れが行われていないのが現状であり、取り外しが難しいことでも知られています。
また、アパートやマンションではエアコンを購入して取り付けた場合、退去時に取り外しを行うこととなり、業者に依頼するか自分で取り外すかを選択する必要が出てきます。そこで今回は、エアコンの嫌取り外し方法を紹介します。業者を利用せずに自分で取り外しが行えるような知識を身に付けていきましょう!
必要な工具をそろえる
ステップ1、エアコンの構造を理解してスムーズに作業を進める
ステップ2、エアコンを取り外す前にやっておくこと
ステップ3、エアコン取り外し前の動作確認
ステップ4、ポンプダウンをする
ステップ5、銅線・配線を外していく
ステップ6、室内機の取り外しを進める
ステップ7、取り外した部品の処理
ステップ8、後片付け
まとめ
まずは、必要な工具類を紹介していきます。用紙するものはそこまで多くありませんが、ある程度専門的な工具も必要となるので、ホームセンターなどで購入しておきましょう。基本的には一般の方でも購入できる工具のみでエアコンを取り外すことができます。必要な工具は以下の通りです。
・プラスドライバー・マイナスドライバー・ペンチ・モンキーレンチ2つ・カッターナイフ・六角レンチ・パテ・ビニールテープ
もちろん、皆さんがご自分で用意しても構わないのですが、みなさんの友人や近所の工務店などから工具を借りることができる場合には、一日もしくは数日のみ貸してもらうと購入する必要がなくなるのでさらなるコスト削減につながります。エアコンの取り外しに関しては、そこまで長時間に及ぶ作業ではないため長い期間工具を借りる必要はありません
ここからはエアコンの構造などについて順番に説明を行っていきます。エアコンの取り外しを行う上で、大まかな構造を理解しておくことは非常に重要であり、誤って部品を壊してしまうようなリスクも避けることができます。名称などを正確に覚える必要はありませんがある程度の場所や形などは把握しておきましょう。
まずはエアコン本体についている電気を供給しているコードについて説明していきます。このコードは目視で確認することができ、室内のコンセントに接続されているケースがほとんどです。室内のコンセントに刺さっているコードを見たことがあるという方は多いかもしれませんが、実はこのコードは室外機まで続いており、室外機で利用される電気の供給も行っています。つまりエアコンを取り外すからといって室内機の部分でコードを無理に引っ張ったりちぎったりしないよう注意する必要があります。コード自体は頑丈なのでそこまで簡単に切断することはできませんが、部品同士の間に挟まったり誤って引っ張ったりしてしまわないよう、細心の注意を払いながら作業を行ないましょう。
またエアコンの取り外しを行う際、注意する必要があるのはコンセントからプラグを抜かずに作業をしてしまうことです。コンセントにプラグが刺さったままだと電気の供給が継続されているため関連等の危険性が高まります。エアコンの取り外し作業を行う場合や点検をする際にはコンセントからプラグを抜き通電されていないことを確認しましょう。
エアコンの代表的な構造として「ドレンホース」というものがあります。普段の生活で聞く言葉ではない為、聞きなれないという方が多いかもしれませんが、このホースを見たことがあるという方は多いはずです。ドレンホースは室内機から出た水を建物の外まで流すという役割を担っています。よく、エアコンの室外機から出ている白い色もしくは灰色のような細いホースを見たことはありませんか?その部品がドレンホースであり、エアコンにとっては非常に重要な役割を担っています。
エアコンの取り外しを行う際、このドレンホースを切断すると室内機から出た水を外へ送り出すことができず、エアコンが故障する原因になりかねません。このドレンホースも簡単に切断できるものではありませんが、引っ張ったりぶつけたりして穴があいたり傷がついたりしてしまう可能性は充分にあります。ドレンホースの途中に穴が開くと、建物の床や壁の中に水が漏れてしまい、家屋に影響が出る事もある為、いずれにしても注意を払いながら作業を行うことが大切です。
この点に関しては知られていない事も多いですが、実はエアコンの中にはガスが通っています。このガスは内部を常時循環することによって冷暖房機能を補助しています。エアコンにとっては、非常に重要な役割を担っているのがこのガスであり、ガスは内部の銅管と呼ばれる管の中を通っています。その名の通り銅でできたこの管は、室内機・室外機内を通っており内部はつながっています。
銅管はエアコンを取り外す際、非常に注意が必要な部品であり間違って破損をさせてしまうと重大な事故につながってしまう可能性があります。正しい方法で銅管の取り外しを行なえば特に問題はないのですが、安易に破損させてしまうと中のガスが漏れ出してしまいます。ガスが漏れてしまった後は想像に難いかと思いますが、火事や爆発などの危険性が高まります。そのため、銅管内部のガスをしっかりと室外機の中に閉じ込めてから銅管の取り外しを行うということは必須のテクニックになります。
以上がエアコンを取り外す際に重要となる部品であり、これらを誤って破損させてしまうようなことがあると予期せぬ大事故につながります。これ以外にもたくさんの部品がエアコンには利用されていますがいずれの部品を丁寧に扱う必要があります。ここからは実際にエアコンを取り外す際の手順について紹介していきます。
エアコンにおける重要な部品の紹介が終わったところで、実際にエアコンを取り外す段階にここからは入って行きます。エアコンを取り外す際に1番最初にやらなければいけないのは、動作確認です。「電源を切って取り外すのになぜ動作確認をする必要があるのか?」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、万が一エアコンに異常が生じていた場合、素人が取り外してはいけないような状態になっていることがあります。
分かりやすい例を挙げると先ほどご紹介したドレンホースが切れているというケースです。ドレンホースが損傷すると中から水が漏れてしまう可能性があるということを説明しましたが、作業を以前からこのドレンホースが切れていると分解した際さらに被害が拡大してしまう可能性もあるのです。エアコンの性能面での低下や部品が利用できなくなるなど物理的な損害が生じることもあるため、まずはエアコンが正常に動作していることを確認してから取り外し作業に入りましょう。
エアコンの動作確認を行う方法として強制冷房運転というものがあります。強制冷房運転とは、気温の高い低いにかかわらず強制的に冷房の運転を行う機能です。なぜ冬場でも寒いのに冷房運転を行うのか。これにはいくつか理由があります。
まずは動作確認をする手段としてオークのエアコンに強制冷房運転が採用されているからです。この理由に関しては論理的なものではなく、メーカーが設定しているからという理由です。あくまで動作確認がメインの目的であり、正直どちらでも良いと言えば良いのですが、一般的には強制冷房運転機能が動作確認として採用されています。
2つ目の理由は、冷房運転の方が前述した銅管内のガスが抜けやすいということが確認されているからです。ほとんどのメーカーが強制冷房運転を動作確認に採用している理由はこのガスが抜けやすいか抜けにくいかという部分に関係しています。暖房運転よりも冷房運転の方が、ガスが抜けやすくその後の作業をより安全に行うことができるため動作確認には強制冷房運転が採用されています。
もちろん、普通にエアコンを起動させて動作確認を行っても良いのですが、普段からエアコンを利用していない場合、一回つけただけではそれが正常なのか判断できないという可能性もあります。そのため、日常生活からエアコンを利用している利用していないにかかわらず、エアコンの運転確認は強制冷房運転を行うと覚えておけば特に問題ありません。
強制冷房運転の実施方法はそこまで難しくなく、簡単に行うことができます。
強制冷房運転の方法は各エアコンの取扱説明書などに記載されていることが多いため、まずは保管している説明書を確認してみましょう。エアコンによっては本体に方法が記載されていることもあるので、説明書が見当たらない方は本体のカバー内部や側面などを確認してみましょう。
強制冷房運転を行う際には、エアコンまで手が届くような状態にしましょう。はしごや台などを予め用意しておき、エアコンのボタンに手が届くか確認しておきます。また、温度調整などに利用するリモコンを用いて強制冷房運転を行うことが出来る機種も存在するため、リモコンのボタンにも一通り目を通しておくようにしましょう。方法がわからない場合は「エアコンの品番強制冷房運転」などと検索したり、メーカーに問い合わせをしたりすることで確認することができます。基本的にはインターネットで検索をすると方法が記載されているので、説明書が見当たらず本体にも方法が書かれて居ない場合にはインターネットで検索をしてみるとよいでしょう。
主流メーカーにおける強制冷房運転の方法は以下の通りとなります。
●ダイキン・DAIKIN
「強制冷房運転」を5秒以上押す。同じく「強制冷房運転」を押すと停止。
●日立・HITACHI
「応急運転」を5秒以上長押し。同じく「応急運転」を押すと停止。
●シャープ・SHARP
リモコンで冷房運転に切り替えた後、「応急運転」を5秒以上押す。
(運転ランプが点滅したらOK)
応急運転中に「応急運転」を少しだけ押すと、冷房自動運転へ。
応急運転中に「応急運転」をしっかり押すと、停止。
エアコン停止中に「応急運転」を5秒以上押すと、「自己診断モード」になってしまうので注意が必要。
●コロナ・CORONA
リモコン→「運転」と「風力」を同時押し。「停止」を押すと停止。
リモコンを利用しない場合、「自動運転」を押すと開始。同じく「自動運転」を押すと停止。
●パナソニック
「強制冷房(自動)」を5秒以上ピッと音が鳴るまで押す。
この状態で「応急運転」を1秒押すと通常運転へ。
通常運転時に「応急運転」を8秒以上押すと、ピピッという音がして強制暖房運転を開始。
この場合は「応急運転」を押すことで停止。
●東芝・TOSHIBA
「自動運転」を10秒以上長押し。ピッという音がしたらスタート。
3秒だとクリーン運転・1秒だと自動運転になってしまうので注意。
●富士通・HUJITSU
「室内応急運転ボタン」を5秒長押し。さらに「応急運転」または「自動運転リセット」を10秒長押しすることで強制冷房運転開始。
また、パネルを開いて「フィルターリセット」を10秒長押ししても強制冷房運転可能。
「フィルターリセット」を25秒以上押してしまうとリモコンの設定がリセットされるので注意。強制冷房運転開始時は運転ランプとタイマーランプが同時点滅するのでそれを目安に押すのをやめる。
●三菱電機・MITSUBISHI
「応急運転・強制冷房」ボタンで開始。
「応急運転・強制冷房」を1回押すと冷房・2回押すと暖房・3回押すと停止となる。
●三菱重工・Mitsubishi
「応急」ボタンを5秒以上長押しでスタート。
1秒だけだと自動運転になってしまうので注意。
●アイリスオーヤマ・IRIS OHYAMA
「強制冷房運転」を5~10秒長押しすることで準備運転開始。
押し続けて10秒以上経過すると、運転ランプとタイマーランプが同時点滅をして開始。
(型番:IRA-2202A/IRA-2502A/IRA-2802A/IRA-3602A/IRA-4002A/IRA-5602Aが対象)
それ以外は、「強制冷房運転」を10秒以上長押し。ピッと音がしたらスタート。
共済冷房運転の方法を確認することができたら実際に スタートしてみましょう 室内機からなにかしら 音がすることでスタートの合図を 出してくれます。 取扱説明書通りに 運転 確認ができていれば 特に問題ありません。
ここからは強制冷房運転中に確認するべき事項を紹介して行きます。強制冷房運転は単なる運転確認だけではなく、室内機以外にも確認するところが複数点存在します。強制冷房運転が始まったらまずはそちらに向かうようにしましょう。
※室外機から振動はするかをチェック
はじめに確認を行ってほしいのは室外機です。エアコンの室外機にはコンプレッサーがついています。コンプレッサーは室外機の外側から手で室外機を触れることにより正常に動いているかを確認することができます。特に問題なくコンプレッサーが働いている場合は、実際に触れた際若干振動が伝わってくるはずです。コンプレッサーが正しく動いていることが確認できた場合はそのまま部屋の中へ戻っていただいてもかまいませんが、正常に動いていない状態で取り外し作業などを行うとエアコンが故障してしまう原因になります。万が一、コンプレッサー以外でも異変を感じた場合には予期せぬ事故を防ぐためにも専門業者や購入店などに相談を行うようにしましょう。
※室内機から冷たい風が出るか
前述した通り一見、風を送り出しているだけのように見えるエアコンですが、故障しているとみなさんの身に危険が及ぶことも当然ながらあります。自身で動作確認から取り外しまで行い、費用を節約することも大切ですが、命の危険や故障のリスクを考えると自信がない場合や異変を感じた場合にはプロに任せるのが安全です。
※2つ目に確認して頂きたいことは、室内機の中から正常に風が出ているかということです。強制冷房運転を行うと、かなり冷たい冷風がエアコンの中から吹いてきます。冷たい空気が出ている場合は特に問題なく、正常に動作しているという証拠ですが、風が弱かったりぬるい空気や温かい空気が中から出てきている場合には、故障が起きているということになります。この点もしっかりと確認し、引き続き作業を行うのか諦め業者に依頼をするのか適切な判断ができるようを心がけましょう。
この2点を強制冷房運転中に確認してください。強制冷房運転が開始された時点で安心してしまう方もいらっしゃいますが、どちらかというと大切なのはこの2つの確認事項です。どちらか片方でも異常があった場合には、専門の業者やエアコンの販売店に一度相談をしてみましょう。「せっかく工具などを用意したのに利用する機会がなかった」と残念に感じてしまう方もいるかもしれませんが、故障を拡大させてしまったり自分の身を危険にさらしてしまったりするよりかは安全第1で作業を行うことが大切です。わからないことをわからないまま作業をするのではなく、自信がない場合には分かる人にお願いすることも大切です。
ここからはポンプダウンという処置について紹介して行きたいと思います。ポンプダウンというのは、1番最初に紹介した銅管内部からガスを抜く作業のことを言います。冷房運転をすることでガスが抜けやすいということを紹介したため、強制冷房運転もポンプダウンの一部ではありますが、メインとなる作業はここから紹介する室外機の中へガスを閉じ込める作業のことを指します。非常に重要な作業であり、かつ最も危険な作業でもあるため、気を引き締めて細心の注意を払いながら行うようにしてください。
まずは強制冷房運転が始まったと同時に室外機へ向かいます。先ほど紹介した確認作業が終了したら、ポンプダウンを行う上で最も重要な作業である室外機についているバルブの調整を行っていきます。エアコンの室外機からは二本の管が出ており、太い方が3部管細い方が2分管といいます。
ガスは2部管を通って室外機の中から室内機の方向へ向かい、反対に3部管を通って室内機の中から室外機の方向へ移動しています。室内機側へガスを残さないよう室外機側へガスを閉じ込めるには、ガスが最初に出てくるに2分管を閉める必要があります。
太い方の管である3分管の反対側についているのがサービスポートと呼ばれる部品であり、3分管と直角をなして付いているのがバルブキャップです。バルブキャップはその名の通り普通のキャップなので簡単に外すことができます。モンキーレンチという工具を用いることで外せるので、モンキーレンチの利用方法などは取扱説明書やインターネット検索等で確認をしておくとよいでしょう。モンキーレンチに関しては特殊な利用方法を用いなくても普通に取り外すことができます。バルブキャップを外す段階で、サービスportも外すことができるのでここで外しておきましょう。
バルブキャップを外すことができたら、2部管からガスが漏れ出さないように六角レンチでしっかりときつく締めていきます。六角レンチを回していくと、最終的に回らない所にたどり着くのでそこまで回して締めるようにしてください。
六角レンチを使ってガスが漏れださないように締め付けることができたらその状態で約1分から2分程放置します。こうすることで室内機から送られてきたガスが室外機の中でたまり徐々に室内機側のガスが少なくなっていきます。室外機へ向かう管は閉じられているので室内機へガスが流れていく心配はありません。しかし、六角レンチでの締め付けが甘いと室内機側へ引き続きガスが流れてしまうため放置する前にしっかりと締まっているか再確認を行ってください。1.2分間の放置が終了したら、3部管もしっかりと締めます。
※締めすぎないこと
六角レンチでの締め方が強すぎるとねじ山をつぶしてしまい、修理ができないようになり、どうにもできない状態になります。
加減が難しいですが六角レンチが回らなくなったら無理にそれ以上回さないようにしましょう。
3分管をしっかりと締めある程度(数分)時間が経ったら、銅管内のガスがしっかりと回収されているのかをここから確認して行きます。この確認も簡単に行うことができます。ガスが回収されているかの確認はサービスポートを用いて行うので今一度、場所を確認しておいてください。
まずはサービスポートの中心にある細い棒を確認します。サービスポートの棒を確認することができたら、六角レンチなどを用いて内側へ押し込んでください。押し込んでいくと徐々に「シュー」という音が出て、数秒後に音が聞こえなくなります。音が聞こえなくなれば特に問題はなく、銅管内のガスがしっかりと回収出来ている証拠です。
銅管内のガスがしっかりと回収されていない場合、高確率で勢いよくガスが噴射するのですぐにわかるはずです。ガスが回収できていないということは、エアコンの分解作業を行ってはいけないため、エアコンの強制冷房運転を行う部分からもう一度やり直しをしてください。
少々お時間がかかりますが安全に作業をするためにはこの確認が欠かせません。六角レンチを落ち込んだ際に音が聞こえなくなるということは、2分管の付け根から3分管の付け根まではガスが存在して居ないということになります。「シュー」という音がなくなり、正常にガスを回収できたことが確認できたら、室内に戻って強制冷房運転を停止します。
銅管内のガスを室外機の中に閉じ込め、回収できていることが確認できたら、なるべく早く室内へ戻りエアコンの強制冷房運転を停止してください。最初の方でも説明していますが銅管内を通っているガスは、エアコンの正常運転にとっては非常に欠かせないものとなっています。そのため、銅管内にガスがない状態で運転を継続すると、機械に負担を与えてしまい故障などの原因になります。引き続き転居先や新居でエアコンを利用して行くためにも、なるべく負荷をかけず取り外しを行うことが重要なため、強制冷房運転の時間は短く出来るよう心がけましょう。
とはいえ、ガスが残っているかの確認を怠ると何度もを説明しているとおり大事故につながる可能性が高まります。スピードは重要ですが、一般人である皆さんがエアコンの取り外しを行う際には速さよりも正確性や安全性を最優先に作業を行うようにしてください。
強制冷房運転を終了したら、エアコン本体の電源を切ります。通常エアコンの電源を切るとルーバーという部品が下がります。ルーバーという部品は風が流れる方向を調整している仕切りのようなもので、外側から確認することができます。風向を調節した際にパタパタと動くものがルーバーなので、電源を切った際は風穴を塞ぐような形でルーバーが降りることを確認してください。
強制冷房運転が終了したからといって、焦って電源プラグを抜いてしまうと、このルーバーが降りる前にエアコン内部への電力の供給が途絶えてしまいます。エアコンに通電されていない場合、ルーバーの位置は1番内側にプログラムされているため、次回電源が入った際におかしな位置にあると、故障などの原因になります。無理やり手動でルーバーを動かすことも可能ではありますが、部品の破損やプログラム面での故障の原因になる為、必ずエアコンを切りルーバーが降りるのを確認してから、コンセントを抜くようにしてください。
以上でポンプダウンの作業は終了になります。強制冷房運転の方法や銅管内のガスを抜くところ・各種確認事項やルーバーの扱い方など、複雑な点が多いですが、しっかりと段階を踏んで整理しながら作業を行うことで、プロの方ではなくても安全に作業を行うことができます。ポンプダウンの作業に取り掛かる前に、エアコンの取扱説明書や工具の利用方法など、分からない点はしっかりと確認をしておくよう心がけてください。理解が中途半端な状態で作業を進めると、ミスをしていることに気付かず事故や故障につながる可能性があります。
完璧に理解する必要はありませんが、ある程度の流れやシミュレーションなどはしておき、緊急時でも適切な対処ができるよう、各所(エアコン購入店や専門業者など)への連絡先なども控えておくようにしましょう。
ここからの作業では先ほどまで何度も登場していた銅管や電力を供給していた配線などを外していく工程に入っていきます。繊細な作業が多いですが、引き続き部品の破損や紛失・傷などに細心の注意を払いながら作業を行うよう心がけてください。特に電力供給系の線を損害してしまうと、適切な通電が行われず正常に動作しなくなる可能性もあります。銅管やコンセントへ繋がる配線などは再利用できることもあります。新居や転居先でも同じ環境であれば引き続きこれまでと同様のセットでエアコンを利用することができるため、配送費や取付け費用のみの負担となり、金銭的な面で余裕ができます。取り付け環境や建付けなどの影響で再利用できない場合は再度を購入する必要がありますが、よほどの環境変化がない限りは再利用できるため、エアコンを購入して間もない場合や綺麗な状態で残っている場合には再利用することも視野に入れながら作業を行ないましょう。
もちろん、再利用せずに新しく購入する場合や、エアコンを新調する場合にはこれらの部品は捨ててしまっても構いません。廃棄方法等は各自治体市町村の廃棄区分に従って、適切な処理を行うようにしてください。
ポンプダウンの最終確認が終了したら、銅管の取り外しを行ないます。2本用意したモンキーレンチのうち、1本をサービスバルブに固定してください。さらに、残った1本はフレアナット側を押さえます。反時計回りに回していくと徐々に緩んでいくためフレアナットのみを回しながら固定を外して行きます。この時サービスバルブを固定しているモンキーレンチは絶対に回さないでください。一緒に回してしまうと室外機の中に閉じ込めていたガスが漏れ出してしまいます。サービスバルブを緩めてしまった際のガスの噴出は非常に多量であるため、ライターの火やコンロの火などで容易に爆発します。火災や火傷などの事故を負う可能性が高まるため、サービスバルブを固定している内側のモンキーレンチは絶対に動かさないということを心がけてください。
無事に2つの下のフレアナットを外すことができたら、事前に用意していたビニールテープをここで利用します。ビニールテープに関しては遺物や虫が入らないようにするための役割であり、これまで管が付いていた穴を塞ぐために用います。外の世界と室外機の中を確実に隔離し、次回利用の際に故障が生じないように機器を守る重要な役割です。
実際のところは、モンキーレンチ1本のみでも外すことができますが、室外機の中にあるガスが漏れてしまったり、無理に力を加えて部品が破損してしまったりすることもあるため、一般の方がこの作業を行う場合は2本のモンキーレンチを用いた方が確実です。
次に室内にある電源コードを確認して行きます。この先はエアコン内部にある配線を外して行く作業になっていきますが、ここでコンセントプラグを抜き忘れていると、漏電や感電などの危険性が高まります。また通電されている状態で部品を無理に取り外してしまうと照度して使えなくなってしまうこともあるので強制冷房運転が終わり、ルーバーがおりたら電源コードを抜くということは忘れないようにしてください。
何度も説明していますが、ポンプダウン作業が終わって安心してしまい、通電されたまま作業を行って事故になるというケースも存在します。確認は怠らないようにしましょう。
ここからはプラスドライバーとマイナスドライバーを用いて、配線を外していきます。この段階で取り外している部品は、再度を利用することができますし、必ず必要なものになります。そのため捨てたりなくしたりしないよう心がけてください。小さな部品もあるため、どの部品を外していたのかということをその都度を整理しながら作業を行うと安心です。
まずは室外機に固定されているビスというものを外していきます。ビスはマイナスドライバーを用いて外すことができるので、机の上や何かしらのケースの中など安全な場所に保管しておいてください。大きな部品ではないのでなくしやすいアイテムのひとつです。固定部分を外すことができたら、黒色・赤色・白色の線の先端部分を先程利用したビニールテープ等で止めておきます。再利用せず新調するという方はこの処置を行わなくても良いですが、費用の節約をしたいという方は、再利用出来るように綺麗な状態で撮っておくことが大切です。これで、室外機側で行う作業は終了となります。
ここからは室内に移動して室内機側の取り外し作業を行っていきます。先程室外機側で行ったように銅管の取り外しなどがありますが、外で行った作業永遠方法などが異なっている事があります。しっかりと内容を読んで理解しておくようにしましょう。
まずは室内機の方にあるドレンホースを取り外していきます。ドレンホースに関しては室内機の中で作業をするわけではありませんが、室内から作業を行った方が楽にできます。ドレンホースを取ると言うよりは切るに近い形であり、最初から付いているつなぎ目のテープなどをカッターナイフ等を利用して剥がします。ドレンホースの接続部分を見つけることができたら、最後までテープを剥がして接続を解除しましょう。
新天地や転居先で引き続きこのドレンホースを利用したいという場合は、カッターナイフ等で切る作業も慎重に行う方が良いです。ドレンホースに関しては少しでも傷が付いてしまうと再利用することができず、再度購入しようと思っても正規品が家電量販店内で販売されているとは限りません。基本的にはメーカーからの取寄せ商品となる為、費用や時間などがかなりかかってしまいます。メーカーへの受注や費用の調整などもすべて皆さん自身が行う必要があるため、慣れない場合はかなり苦戦することが予想されます。そのためドレンホースは丁寧に扱いましょう。
ドレンホースの接続を解除することができたら最後に室内機を取り外します。室内機は普通のエアコンの重さであり非常に重いので、男性が行ったり足元が安定している場所で行ったりする工夫が必要になります。特に体が伸びきった状態で高い位置での作業となる為、女性男性関わらず1人で作業をするのは少々大変かもしれません。室内機を取り外す際は、基本的に下から上へ押し上げるように外します。すると壁に付いている基板という固定部品から室内機のみが浮き上がって無事に外すことができますあまり強く押し上げすぎると室内機が勢いよくはずで落下してしまう可能性もありますので注意が必要です。
室内機を壁から外して自由に持ち歩くことができる状態になったら、まずはしっかりと室内機を持ち上げ両手で支えることができるようにします。足をしっかりと開きバランスが安定したら、焦らずに台やはしごから降りてください。取り外した室内機は非常にデリケートな部品である為絨毯などの柔らかい素材の上に置いておきましょう。
室内機を壁に固定していた部品が背盤です。この部品の取り外しはそこまで難しくなくまずは両端についているビスを取り外します。数箇所にビスがついているため、外し残しがないようにしっかりと確認しておきましょう。また最後の1個の方になってくると、先に外していた部分が落ちてくる可能性もあります。この際は手でしっかりと押さえていないと背盤が落下してしまい、下にある室内機や背盤自体・皆さんの体などに傷が付いてしまう可能性もあります。身を守るためはもちろん部品を守るためにも小さな心がけを忘れないようにしましょう。
次に、エアコンの後ろ側についていた壁にあいた穴をパテで塞いでいきます。この穴を空けておいたままにしておくと、虫やゴミなどが入ってしまい壁の中の損害や次に利用される方の迷惑になってしまうこともあります。
特に賃貸住宅を利用されている方はこのパテで塞ぐという行為が必須であることもしばしば存在しなるべく入居時と同じような体勢に整えることが重要になります。
次にいくつか取り外した部品について、次回利用に向けた処理方法を説明していきます。ここまでくるといよいよエアコンの取り外し作業も終盤に差し掛かります。まずは室内犬に付いているパネルを取り外していきましょう。エアコンの左右にはツメがついていることが多く、内側にはカバーがついておりテープで留められていることもあります。
このテープを一旦外して、序盤で回収していたドレンホースや銅管などを室内機の中に格納していきます。スペースをうまく利用しないとすべて格納できないため、都度確認をしながら作業を行ないましょう。銅管に関してはこの作業が最も折れやすい作業であるため、細心の注意を払う必要があります。
一通り室内機室外機共に取り外し作業が終了したら、エアコンを設置していた周辺環境の整備を行っていきます。賃貸住宅などでよく見られるのは、壁にリモコンホルダーがくっついているというものです。エアコンのリモコンをわかりやすい位置に配置するため採用されているのがリモコンホルダーであり、壁や窓のふちなどに設置されていることが大半を占めます。
元の状態にするためにはそこまで高額な費用はかかりませんがあまりにも酷い場合はハウスクリーニングなどを申請する必要もあります。さらに、コンセントやブレーカーなどは専門資格を所有している人でない限り自由に動かすことはできず、一般の人が作業をしてしまうと思わぬ事故が発生する可能性もあります。
今回は一般の方がエアコンを取り外すための具体的な方法を紹介しました。エアコンの取り外しは見た目以上に非常に複雑であり、特にポンプダウン作業はほかの電子機器で行うことはないため、難しいと感じる方も多いはずです。さらに、エアコン周囲の状態や部品の状態・皆さんのリスク管理などを含めて考えることが重要であり、しっかりと段階を踏んで作業手順や確認事項などを怠らないようを注意してください。
特に部品の損傷などはプロに依頼するよりも負担額が大きくなることもあります。専門業者であれば部品の破損などに対して補償をしてくれることもありますが、みなさんが1人で行う場合にはそのような保証は当然ながらありません。そのため、先ほど説明した通りメーカーに直接問い合わせや仕入れをする必要があります。自分で取り外しを行うということはこのようなリスクを伴うということです。予め理解した上で作業を行うようにしてください。
つまり、エアコンの取り外し作業に関して不安がある場合は専門業者を利用する方が確実です。安全性の面ではもちろんですが各種保証が付いているという面でも圧倒的な安心感があります。それぞれのメリット・デメリットを把握し、最適な方法でエアコンの取外しにチャレンジしてみてください。
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